だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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女性優遇ファシズム─ただし、「お客様としての女性」に限る

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ここのところ、日本では「女性専用車両」をめぐって、テレビやネット界隈で揉めにもめている。この問題に関しては、私のブログでは、過去2回ほど取り上げた。1回目『女性専用車両の何が問題か?』では女性専用車両の問題点を、2回目『女性専用車両ではなく混雑緩和こそが痴漢対策』では女性専用車両の解決策を、そして3回目となる今回は、女性専用車両問題を含めた今の日本を覆う女性優遇の風潮の異常さについて書く。

女性優遇に傾倒する日本のマスコミ

この問題が大きく取り沙汰されて以降、私は「女性専用車両」に反対するグループのサイトやブログ、関連するYouTube動画を見てまわった。放送されたテレビ番組の動画も見てみたが、その多くが、問題の本質に迫ることなく、「女性専用車両に反対する側を叩く」という残念な構成になっていた。

インタビューを受けた本人(差別ネットワーク:ドクター差別さんこと兼松信之さん)は、実名・顔出しを求めていたにもかかわらず、放送時は顔にモザイクがかけられ、実名も団体名も出されなかった。彼は「誹謗中傷まがいの発言があっても、名誉毀損で訴えられないための予防策」と自身のブログで述べていてが、誹謗中傷まがいの発言をするであろう人を、出演させるのはいかがなものだろうか。結局のところ、反対派を悪者に仕立て上げ、叩く方向に持って行きたいという印象操作にしか見えなかった。

「女性優遇を旗印に、お年寄りや障がい者の男性など、本来優先されるべき弱者の人たちが蔑ろにされている」とコメントがあった「モーニングショー」が比較的まともだった。その番組は「トラブルを起こすような方法はよくない」で閉じられていたが、事が大きくなるまでマスコミが取り上げない以上、私は仕方ないのではないかと思う。

※ 実際、朝日新聞が「遅延の原因」としてサイトで取り上げ、ネットが炎上し、テレビが取り上げ、さらに別のテレビ局もそれに追随したという形になった。

世の中には、理不尽なことや間違った方向に進んでいることがたくさんあるが、きちんと取材し、追求し、論評し、そして文や映像といった形で表現することで、世間に知らしめ、社会をより良い方向に動かしていく。そんな大きい力があるからこそ、「第4の権力」と呼ばれるゆえんである。今のマスコミは、そんな崇高な精神は忘れ、大衆とスポンサーに迎合しているとしか思えない。日本のマスコミのレベルの低さが垣間見える。

ギャップ

もはや女性優遇ファシズム

それにしても、こういった状況を見ていると、今の日本は「女性優遇ファシズム」とでもいうべき状況になっているように思う。女性を喜ばせたり、優しくしたりすることこそが大切という風潮が日本全体に広がっていて、それに異を唱える人を、「思いやりがない」「男としての器が小さい」「マナー違反」などと徹底的に排斥するのである。そういった空気の中では、法、論理、理論、原理原則や客観的事実といったものは軽んじられる。場合によっては、法さえ解釈をねじ曲げ、こじつけようとする。女性専用車両はその筆頭だろう。

戦中・戦前の日本では、自由や人権といったものは、国益の名の下に徹底的に弾圧され、反対するものは、国民からも「愛国心がない」「非国民」と非難された。今の日本の異様な女性優遇も、それと同じようなものである。即ち、全体主義だ。

安倍政権は、「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げているが、それがガラパゴス化したのものではないか。

フェミニスト(feminist)という言葉だが、日本では「女性を大切に扱う男性」「女に甘い男」という意味合いである。しかし、英語本来の意味は「女性に対する差別や不平等の解消を唱える人」である。日本語のような意味ではまず使われない。言葉の定義までガラパゴス化する日本……。

日本の女性差別はこんなに酷い

とはいっても、日本で女性が優遇されているのは、あくまで「お金を払ってくれるお客様としての女性」、あるいは「性の対象としての女性」である。社会の一員として働き、尊厳を守られる1人の人間としての女性は、おおよそ先進国とは思えないほど冷遇されている。

いくつか例を挙げよう。

  • 単身女性の貧困率は32%、男性は25%*1
  • 結婚したり、出産したりすると退職を迫られる風潮
  • 女性の管理職の割合は108ヵ国中96位で中国より下*2
  • 女性議員の割合は193ヵ国中158位で中韓を大きく下回る*3
  • セクハラや性犯罪の被害者となった女性を批判する風潮*4*5
  • AV出演強要や「JKお散歩」などに見る性的搾取
  • 政治家による女性蔑視発言の数々(「産む機械」「有害なのはババア」「女の子にサイン・コサイン」……etc)

国連の女子差別撤廃委員会から散々勧告されている「選択式夫婦別姓」*6も相変わらず実現していない。最近、二度目の訴訟が提起されたが、保守の塊とも言える自民党政権を忖度する日本の司法のことだから望み薄であろう。

さらに、安倍政権になってから、男女の格差の度合いを示すジェンダーキャップ指数も下がっている。(2017年は世界144ヵ国中114位、過去最低だった前年からさらに後退)

レディースデーなどを実施して、「当社は女性に優しい会社です」と言わんばかりに世間にアピールしている会社が、女性の管理職ゼロだったり、セクハラが横行してしたり、結婚・出産を機に辞めさせられたりすることがまかり通っているのが日本社会なのだから、開いた口がふさがらない。

これが「女性の輝く社会」なのだろうか?

おっさんたちは、女性の胸にではなく、自分の胸に手を当てて考えてみるべきではないか。

それにしても、日本ってどうしようもない国だなぁとつくづく思う。「あっ、だから衰退するのか……」と納得した瞬間、しょせん日本はこの程度の国なのかなと感じた。

女性専用車両の社会学

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