今年もシューカツ(就活=就職活動)という愚にも付かない通過儀礼が始まった。今日も、多くの就活生(=社畜候補生)たちが、没個性なリクルートスーツに身を包み、東奔西走していることだろう。
シューカツで消耗する社畜候補生たち
私は、日本の就活ほどバカバカしいものはないと思っている。
就活には、入試のように客観的な評価基準がないため、多くの就活生は暗中模索している。評価基準は、大学の偏差値(偏差値が低い大学は門前払い)、コミュニケーション能力(という名のリア充度・空気読み力・同調力・忖度力)と会社への忠誠心であろう。
- エントリーシートを数十枚(平均26枚)もせっせと手書きで書く。
- 最近の企業は、就活生のSNS(Facebook)を見ているのはほぼ間違いないので、就活のためにわざわざイケてる自分を演出する。(SNSを使っていないと、逆に不審がられる)
- 「バイトでリーダーしてました」「サークル活動でこんなに活躍しました」と協調性があることをアピールする。
- 自分史を作って自己分析に励む。
- サイトの会社概要ページや、会社案内冊子を受験勉強の参考書のごとく何度も読み返して志望動機を考えたり、面接での問答を想定したりする。
実にバカバカしい。時間の無駄である。これを「消耗」と言わずしていったい何を消耗と言うのだろうか?
就活に失敗して、そのまま卒業すると「既卒」という烙印を押されてアウト。わざと単位を落として留年すればセーフ。新卒カードのために、わざわざ高い学費を払って留年する人もいる。ここまでくれば消耗を通り越して浪費である。
就活で内定取るまでにかける総時間は一体全体どのくらいになるのだろうか?
— ガラニート (@GalaNEET) 2018年3月3日
ESを書く、サイトの会社概要ページの閲覧、会社説明会に参加、何度も面接、面接想定問答に割く、OB訪問、インターン、それらにかかる移動……etc。
人生の中で、これほど無駄な時間が果たしてあるだろうか?
海外で新卒採用は?
海外では、日本のような新卒一括採用はゼロではないにせよ、一般的ではない。労働市場が流動化しているので、大学を出たばかりで実務経験がない新卒を雇って、先輩社員が手取り足取り仕事のやり方を教えて育てていくなどと悠長なことはしない。求められているのはあくまでも即戦力である。 日本のような採用を「メンバーシップ型採用」、海外のような採用を「ジョブ型採用」と呼ぶ。これらについては、いずれ別の記事で書きたいと思う。
就職できたとしても、安住の地などではない
血のにじむような苦労をして、何とか内定を勝ち取って就職できたとしても、そこは決して安住の地などではない。自分がやりたい仕事に就かせてもらえるという保証はなく、偉くもないのに偉そうなおっさんの下で、そのおっさんを偉くするための下働きをさせられるだけだ。
新人研修では穴掘り(笑)をさせられたり、自衛隊に体験入隊させられたり、トイレを素手で掃除させられたり……こんな研修を見ている限り、研修後も精神根性論全開で長時間労働に苦しめられることは火を見るより明らかだ。
例え、仕事がつまらなくても、ワークライフバランスが取れていて、プライベートが充実していれば、「仕事なんて日々の糧を得るための手段に過ぎない」「クビにならない程度に頑張ればいい」と割り切ることもできよう。しかし、労働環境が劣悪極まる今の日本では、ワークライフバランスなんて絵に描いた餅だ。
さらに人口減で労働力不足も深刻化してくることから、そのしわ寄せは現在働いている労働者に来る。「働き方改革」(という名の「働かせ方改悪」)も加わって、労働環境が酷くなること請け合いだ。
社畜は、「やりがい」「社会貢献」「社会の一員」「責任ある社会人」などという口当たりの良い言葉でお茶を濁そうとするかもしれない。 あるいは、そう自分に言い聞かせているだけかもしれない。
しかし、そんな言葉に騙されてはいけない。過労死するまで働かせられたり、給料もらえても使う暇すらないほど長時間働かせられたりするのは、実質的には奴隷と何ら変わらない。
そんな奴隷状態が少なくとも40年以上、場合によっては死ぬまで続くのである。
海外脱出するか? 起業するか? それとも……
では、どうするのか? 就活戦線なんていうくだらないことからさっさとおりればいい。
海外脱出するとか、起業するとか、地方に行くとか、仮に就職するにしても大企業ではなくベンチャーにするとか……etc。
もう20世紀ではないので、生き方なんていくらでもある。むしろ、20世紀型の「大学出てサラリーマンになれば一生安泰」という生き方自体が時代遅れになりつつある。
ネットのお陰で、起業の敷居はぐんと下がっている。身近なところで仲間がいなければ、SNSで仲間を探せばいいのではないか。資金が必要なら、クラウドファンディングもある。私が常日頃から提案している「海外脱出」も、きちんと情報収集し、必要なスキルと語学力さえ身につければ、さほど難しいことではない。
必要なことは、他人の批判とか世間体を気にせず、自分で考え、自分で決め、失敗を恐れずに突き進んでいく勇気。あなたの選択が正しいかどうかは、歴史が証明してくれる。
日本は坂を転げ落ちるように衰退しているが、日本を支配しているおっさんが無能だったということの証明に他ならない。あなたは若くて優秀なのだから、そんな無能なおっさんにホイホイついて行く必要はどこにもない。
日本の衰退っぷりがひと目でわかるGIFがこれ 冗談抜きでヤバいぞhttps://t.co/aXDuOVW7av
— sakamobi (@sakamobi) 2017年7月2日
変わったのはアジア域内だけで本当に日本「だけ」がはっきり縮小してる。その他の地域のバランスは域内でも安定というのは面白い発見だ。 pic.twitter.com/Lz2Pvxjg0U
まだ就活で消耗してるの? そんなに社畜になりたいの? どMなの?
*
拝啓社畜様。今後の貴殿のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。チーン。
と、過労死したり、妻子から蔑ろにされる自宅難民になったりしないように心の中でサイレントお祈りでもして、自分の人生を生きよう。
- 作者: 森嶋通夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/07/17
- メディア: 文庫
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (11件) を見る