だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

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「昭和の日」─昭和時代を顧み、国の将来に思いをいたすとしよう

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今日(4月29日)は、「昭和の日」である。昭和天皇裕仁の誕生日だった日だ。

「昭和の日」を大辞林で引くと、

しょうわのひ【昭和の日】
国民の祝日の一。4月29日。激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日。昭和天皇の誕生日に当たる。2007年より、従来の「みどりの日」を引き継いで実施。
スーパー大辞林3.0 (C) Sanseido Co.,Ltd. 2010

とある。

ということで、昭和時代を顧み、国の将来に思いをいたすとしよう。

「激動の日々」を振り返ってみる

「激動の日々を経て、復興を遂げた……」とあるので、まずは激動の日々を振り返ってみよう。

  • 1868年/明治元年
  • 1923年/大正12年 関東大震災
  • 1925年/大正14年 治安維持法公布 (1941年に全面改定)
  • 1929年/昭和4年 世界恐慌
  • 1931年/昭和6年 満州事変
  • 1933年/昭和8年 国際連盟脱退
  • 1936年/昭和11年 二・二六事件
  • 1937年/昭和12年 盧溝橋事件
  • 1938年/昭和13年 国家総動員法公布・施行
  • 1940年/昭和15年 東京五輪(中止)
  • 1941年/昭和16年 真珠湾攻撃
  • 1945年/昭和20年 東京大空襲、沖縄戦、広島・長崎への原爆投下、敗戦
  • 1946年/昭和21年 日本国憲法公布
  • 1951年/昭和26年 サンフランシスコ講和条約

確かに激動の日々である。大正デモクラシーの自由主義的風潮はファシズムの中で消え去り、日本はゆっくりと、だが、確実に破滅への道を突き進んで行ったのが分かる。

マッカーサー元帥と昭和天皇裕仁

マッカーサー元帥の隣に立つ昭和天皇裕仁

国の将来に思いをいたすと……

法律の趣旨にあるように、国の将来に思いをいたすと、「同じ事(戦争)を決して繰り返してはいけない」ということを改めて感じる。

では、同じことを再び繰り返さないためには、どのようにすればいいのだろうか? ヒントとなるものが、『火垂るの墓』の故高畑勲監督の言葉の中にあった。

「攻め込まれてひどい目に遭った経験をいくら伝えても、これからの戦争を止める力にはなりにくいのではないか。なぜか。為政者が次なる戦争を始める時は『そういう目に遭わないために戦争をするのだ』と言うに決まっているからです。自衛のための戦争だ、と。惨禍を繰り返したくないという切実な思いを利用し、感情に訴えかけてくる」

確かに、これは為政者が戦争を始める口実に使うものだ。実際、ナチスドイツのヘルマン・ゲーリングは以下のように言っている。

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また、高畑監督は以下のようにも言っている。

「(先の戦争について)いやいや戦争に協力させられたのだと思っている人も多いけれど、大多数が戦勝を祝うちょうちん行列に進んで参加した。非国民という言葉は、一般人が自分たちに同調しない一般人に向けて使った言葉です。 『空気を読む』と若者が言うでしょう。私はこの言葉を聞いて絶望的な気持ちになります。私たち日本人は昔と全然変わっていないんじゃないか、と。周りと協調することは良いことですが、この言葉は協調ではなくて同調を求めるものです。歩調を合わせることが絶対の価値になっている。(中略) 古くからあるこの体質によって日本は泥沼の戦争に踏み込んでいったのです。私はこれを『ズルズル体質』と呼んでいますが、『空気を読む』なんて聞くと、これからもそうなる危うさを感じずにはいられません。」

この日本の「ズルズル体質」は今も昔も変わっていない。特に最近は、同調圧力が高まってきているように思う。マイノリティーに対するヘイトがはびこり、愛国ポルノ(という名の日本賞賛コンテンツ)が蔓延しているのを見ていると、薄ら寒さを感じずにはいられない。

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))

もしかしたら、今は「戦後」ではなく「戦前」なのかもしれない。北朝鮮の融和の動きも、嵐の前の静けさなのかもしれない。そうではないことを願うばかりだが、こればかりは誰にも分からない。

歴史は繰り返す??

今年(2018年)は、日本が負けたアジア太平洋戦争の終戦から73年目、明治維新から150年目(明治元年=1868年)に当たる年だ。 70年周期で歴史が大きく動くという説がある。70年というのは、だいたい人の生涯に相当する期間である。悲惨な時代を知る人が少なくなり、人々から当時の記憶が薄らいだ時、歴史は大きく動くのだろうか。

悲惨だった「昭和の日」を繰り返してはいけない

自民党としては、「昭和の日」を、戦後の復興から高度経済成長を成し遂げた「古き良き時代」として懐古にふけりたいのだろう。しかし、忘れてはいけないのは、ここでの復興は戦災から復興であり、そこには戦争による惨禍があったということだ。そして、戦争とは自然災害と違って、人が起こすものだ。人が起こすものである以上、防ぐ手立ては必ずある。

そのためにも、

  • 為政者はどのように国民を戦争に駆り立てたのか?
  • 何故国民はそのような為政者を支持したのか?
  • 当時の社会情勢(国民生活、経済、国際情勢……etc)はどうだったのか?

といったことを歴史から謙虚に学び、再び同じような兆候が起きていないか、良き監視者として目を光らせる必要がある。

明仁天皇が退位するまで残り1年となり、昭和時代が遠い過去の日になりつつある今、「昭和の日」ということで、昭和時代について考えてみた。

もういちど読む山川日本近代史

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