東京にあるオフィスを退社、時間はすでに夜11時を回っていた。昨日も一昨日も同じ。明日も明後日も同じだろう。連日連夜の残業で身も心もぼろぼろ。電通のことは、とても他人事とは思えない。
そんな状況が続くと、ついつい叫びたくなる。
「もうこんな会社いややー。こんな人生いややー。来世は○○にしてください!」
ド田舎に嫌気がさした地方に住む17歳の高校生であれば、1年ちょっと我慢すれば東京に出られる。しかし、日本のクソ労働環境にあえいでいる東京に住む人は、1年我慢しても改善されることはない。むしろ、人口減による人手不足も重なり、もっとひどくなっていく可能性すらある。
「おらこんな村いやだ 東京へ出るだ」と吉幾三が唄ったのは20数年前。最近は「こんな村社会はいやだ」と東京を離れる若者が少なくない。彼らが向かう先は海外。不景気の憂さを忘れるため旅行するわけではない。国外で就職、あるいは起業する人々が増えつつあるのだ。
若者の「海外流出」が止まらない!冷え込む雇用がもたらす日本の衰退 (ダイヤモンドオンライン)
東京のイケメン男子の末路は……社畜のおっさん
東京生活が楽しめるのは、せいぜい大学3年までの間だ。(それもコミュ力があるリア充に限る) 大学4年から、就活などという愚にも付かない通過儀礼が始まる。何十枚ものエントリーシートをせっせと書いて、暑い日も寒い日も没個性なリクルートスーツに身を包み、何社も何社も会社訪問しなければならない。そして、激しい競争をくぐり抜けて、ようやく就職できたとしても、そこは決して安住の地などではない。
日本の企業や官公庁を支配しているのはおっさんだ。そのおっさんからどやされながら、朝から晩まで延々と働いていくことになる。そして、自分がそのおっさんと同じくらい歳になったとき、若い新入社員をどやしながら「最近の若いもんは……」とぼやいたり、ネットで悪態をついていたり*1する自分がいることに気付く。
哀しいかな、東京のイケメン男子の末路は、社畜のおっさんである。それも、激務で疲れ果て、うつろな目をした「逝け面」の社畜。
東京圏に住む40代〜50代の年収300万円以上の妻子有りの男性の2人に1人が、自宅に居場所がない「自宅難民」*2だそうだ。以前の産経新聞では、夫婦喧嘩の原因第1位は「誰のお陰で食えるんだ」とあった。あれだけ長時間労働が蔓延していたら、家族間の距離が離れていくのも当然と言えよう。
▼外国人サラリーマンの東京生活
東京は憧れの地でも何でもない
東京はただのでかい街だ。それ以上でもそれ以下でもない。そこに夢も希望も無い。
空気は汚いし、電車はすぐ止まるし、人は多すぎるし、緑は少ないし、労働環境は酷すぎだし、物価は高いし、社畜は死んだ魚のような目をしてるし……。観光で短期滞在するならまだしも、サラリーマンとして定住するような街ではない。
では、どこを目指すのか。このブログで何度も言っているように、海外である。
海外脱出というのは、地方から上京するのに比べて敷居は高い。問題としては、言葉の問題、文化の問題とビザの問題が挙げられる。
まず、言葉の問題。これは、勉強すればよいだけだ。もちろん時間はかかるけど。
次は、文化の問題。「なんか海外生活ってカッケー」という思いだけで、海外生活を成功に導くのは難しい。パリ症候群のようになるかも。しかし、このブログの読者であり、日本の村社会や労働環境に疑問を持つ人であれば、案外海外の方がなじむかもしれない。逆に、「電車は時間通りじゃなきゃダメ」「客は神様なのだから」「空気読め」という考えの人は海外には向いていない。黙って社畜になってください。
最後に、ビザの問題。国によって大きく異なるので、一概には言えない。特に先進国は年々厳しくなっている。自分はどこの国に行きたいのか、どういうスキルを必要なのかを把握して、計画性を持って進めれば、決して高い壁ではない。
これ以外にも苦労することもある。私は、それらを乗り越えてでも、挑戦する価値があることだと思っている。
日本は変わらないし、これからどんどん悪くなっていく。だから……
「ブラック企業」という言葉が一般語になり、長時間労働の弊害は以前にも増して、多くの国民の間に知られるようになった。そんな中、安倍晋三首相は、「モーレツ社員をなくす」「非正規という言葉をなくす」などと相変わらず口当たりが良いことを言っている。しかし、私は、日本が短期間で良い方向に変わることはとても期待できないと思っている。変わるには、途方もない時間がかかる。
日本は変わらないけど、自分を変えるのならできる。もっと正確に言うと、自分を変えなくても、自分を取り巻く環境なら変えることができる。環境があなたを変える。必要なのは、第一歩を踏み出す「やる気」だけだ。
だから、行動を始めよう。新年の目標なんて言わず、今すぐに。高齢化や人口減という大災難が日本を直撃する前に。美しい星であるニポンカイギ彗星から分裂したアベシンゾー隕石やカイケン隕石が日本に落ちる前に。
"Hello. I'm Yugi. Your name is..." (俺は由自。君の名は?)
"Nice to meet you." (よろしくね)
英語のノートに書かれていそうなこういう会話から始まる新しい出会いがきっとある。
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