だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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搾取の構造—お金の儲け方と失い方

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搾取とは、「一流大学を出て、山手線の内側でお抱え運転手付きの高級車に乗るような人が、イオンにiPhone片手にミニバンで乗り付けるような人たちから、がっぽり取ること」であると私は思う。

ソーシャルゲームで儲ける/失う

搾取ソーシャルゲーム(ソシャゲ)が相変わらず大流行している。ソシャゲは基本無料が多いが、じっくり遊ぼうとすれば、高いアイテムを購入しなければならない。学生でも作れるキャラやモンスターに300円、強さのパラメーター数値を10→20にするアイテムに300円、当たるかどうかも分からないゲーム中の架空アイテムのくじに1回300円、といった具合だ。

運営者は「これを手に入れて友達に自慢しよう」とあおり立てる。そのアイテム課金で得た収益で、球団を買ったり、株価をV字回復させたりしている。

スマホのソシャゲは確かに手軽だが、ゲーム専用機と比べたら、割が合わないのではないか。何万円も使わされている時点で、運営者の思惑通りに搾取されている。

スマホ本体で儲ける/失う

海外だと、iPhoneはステータスシンボルである。*1 ところが日本では、猫も杓子もiPhoneを使っている。iPhoneは、本体価格10万円以上とスマホの中では、かなりの高額の部類に入る。しかし、キャリアの巧妙な販売戦略(実質0円・月々割・毎月割)のおかげで、10万円もの大金を払っているという認識は薄い。しかし、ただのローンで買わされているだけであり、借金していることと一緒だ。借金ゆえに延滞すれば、個人信用情報機関(ブラックリスト)に登録される。*2 毎月の通信料金も、MVNOの数倍である。

10万円もするiPhoneでしていることは何だろうか?おそらく、通話・メール・ウェブ・Line・ゲーム・音楽ぐらいのものであろう。その程度であれば、1万円程度の格安スマホと、月1,000円前後のMVNOと呼ばれる格安キャリアで、十分に事足りよう。

1万778円のSIMフリー激安スマホは、意外に使い道がある 日経トレンディネット


「設定が難しんじゃないの?」「SIMロックフリーって何?」「そもそもMVNOって何?」っていうような自分で調べようとしないユーザー*3のおかげで、大手キャリアとアップルはウハウハなのが目に見える。*4

アップルファンであったり、お金に余裕があったりするのであればいいが、非正規雇用で低所得であえいでいる人が、10万円の携帯を借金して買っているのは、搾取されている感がある。

着うたで儲ける/失う

ガラケー全盛期に「着うた」というものが流行った。しかし、これが全然安くなく、1曲420円もした。*5 ガラケーは、マイクロSDカードに保存された楽曲は再生できるが、それを着信音には設定できないという不親切設計である。(レコード会社は着うた代で、キャリアはパケ代で儲けるためなのは想像に難くない)

好きな楽曲を着信音にしたいという利用者心理と、着うた代を携帯代と一緒に払うという決済の手軽さで着うたは'00年代後半に大ヒットした。

私が以前に海外で買った5,000円程度のノキアの携帯電話(出来ることは通話・SMS・アラーム・電卓・簡単なゲーム・FMラジオ・低画質カメラ・音楽再生ぐらい)は、日本ガラケーと違って、マイクロSDカードに入っているMP3を普通に着信音に設定できた。

言葉の壁で儲ける/失う

『21世紀の資本』という本が売れている。700ページもあり、価格も6,000円近くする代物だ。しかし、英語版だと3分の1の2,000円である。英語が分かる人は、2,000円で済むのだ。

本だけでなく、映画もそうである場合が少なくない。『アナと雪の女王』(英題:Frozen)の日本語3D版を手に入れるためには、定価4,320円の2D版を買って、中に入っている「アクセスコード」を入手し、ディズニーストアで2,160円で注文しなければいけない。合計で6,500円近くかかる。米Amazon.comだと2D版と3D版がセットで32ドルで買える。

翻訳や吹き替えにかかるコストを考慮しても、搾取されている感は拭えない。Amazonのレビューでも言及されていた。

ちなみにジブリ作品は、海外版の方が安い。日本語音声も収録されている。日本のブルーレイ版は定価7,344円だが、海外版は定価35.99ドル。

労働者で儲ける/失う

ある派遣会社が、自社サイト内で、時給900円で繁忙期限定のバイトを募集していた。別の求人検索サイトでは、その派遣先企業の直接募集の求人広告が載っていた。時給1200円、仕事内容は同じである。消えた300円はどこにいったのだろうか?派遣会社の取り分である。典型的な搾取だ。

派遣会社経由で応募する場合、派遣会社への電話1本で済む。直接応募する場合は、履歴書を書いて、面接に行ってという手間がある。それを差し引いても、時給300円は、1日8時間労働として2,400円にもなり、21日間で50,400円の開きが出る。低所得の非正規雇用労働者にとっては、月5万円の差はかなり大きい。

ネットで儲ける/失う

いかにもネット受けしそうなネタに、SEO対策丸出しな刺激的なタイトルを付けて、アフィリエイトやアドセンスで稼ぐ。ネットで受けるネタは、比較的パターン化している。

ネタが日本に批判的であればあるほど、匿名掲示板やまとめサイトに転載され、保守派ネットユーザーが押し寄せてくる。コメント欄があれば、「反日」「売国」「左翼」などといった香ばしいコメントで埋め尽くされる。自分のコメントに付けられた反応を確かめようと足しげく通うため、ページビュー(PV)はうなぎ登りとなる。

保守派ネットユーザーが「反日」と罵っているサイトに何度も訪れて、そのサイトのPVを増やし、自分の貴重な時間(時は金なり)と引き替えに、そのサイトの広告収入に貢献している姿は何とも滑稽である。

お金を儲けると失う人の違い

これまで挙げたのは、ごく一例に過ぎない。他にも色々ある。パチンコ、自己啓発書、自己啓発セミナー、聴くだけで英語ペラペラ、みるみるやせる簡単ダイエット etc。

ここでの「儲ける」と「失う」と違いは何だろうか?儲ける方は、頭をちょっと使っているだけである。失う方は、ちょっと調べたり、考えたりすることすら面倒くさがり、言われるがままに高いお金を払っているのだ。

「信者」を一字で読むと『儲』だが、「信者(信じ切っている=疑わない=調べない)はカネになる(儲かる)」というのが原義なのだろうか。

最後に、ドラマ「ドラゴン桜」の一場面を紹介しよう。


Dragon Sakura. - YouTube

社会にはルールがある。その上で生きていかなければならない。だが、そのルールは、頭のいい奴が作っている。つまり、それは頭のいい奴に都合のいいように作られている。逆に、都合の悪いところはうまく隠されている。そして、ろくに調べもしない奴から多く取ろうとする仕組みにしている。頭を使わず、面倒くさがっている奴らは、一生騙されて、高い金払わされ続ける。

この言葉のような出来事が日々繰り返されている。現実は、搾取されていることすら知らない人が少なくない。

ヤンキー化する日本 (角川oneテーマ21)

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©2018 だから僕は海外に出る、さあ君も by 佐野由自