だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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TSUTAYA図書館でもいいんじゃない

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TSUTAYA図書館が物議を醸している。先日行われた愛知県小牧市の住民投票では、TSUTAYA図書館計画が反対多数となった。海老名市では、TSUTAYA図書館をめぐるゴタゴタが続いている。

問題色々、「だからTSUTAYA図書館はダメなんだよ」ではなく…

ネット上では、「そら見ろ、言わんこっちゃない」のごとくTSUTAYA叩きの声が吹き荒れた。しかし、私はTSUTAYA図書館でもいいのではないかと思う。

確かに、第1号となる武雄図書館が開館して以来、様々な問題点が浮き彫りになった。それは事実。

  • 選書が不透明であり、蔵書数を増やすためだけに関連会社のネットオフから市民のニーズとかけ離れた格安の古書を大量に購入した。
  • 貴重な郷土資料が破棄されてしまった。
  • 本の分類が、既存図書館で一般的な日本十進分類法とかけ離れていて、司書でも探しにくく、返却本が書棚に戻されないケースがあった。
  • 所蔵雑誌の数が大幅に減らされた。
  • 見栄えを優先したため高い場所にまで本が配置されていて取りにくい。

これらが問題であることに疑いの余地はない。だからといって、TSUTAYA図書館のすべての否定してしまうのはいささかやり過ぎなような気がする。

※日本にありがちな、オールオアナッシング(100でなければ0)の典型例である。全体のごく一部にでも問題があれば、全体が問題であると見なし、全部を取っ替えたり、取りやめたりしようとするやり方。

TSUTAYA図書館による利点と問題点を洗い出して、利用者の意見をくみ取りながら、問題点は問題点として認め、改善していくことが重要であると私は思う。問題点ばかりを声高にあげつらうのは何ら建設的ではない

日本の最も美しい図書館

日本の最も美しい図書館

TSUTAYAの本業と図書館の役割

武雄図書館図書館とレンタルショップが無関係かといえばそうではない。公立図書館の中には、コミックやDVDを貸し出している館がある。これは、コミックやDVDにも文化的・教育的価値があることを図書館が認めているからであろう。ある本を読んだ人が、それを原作にした映像作品があることを知り、それを借りることあるだろう。その逆も然りだ。

公立図書館では、新刊本・人気本は非常にたくさんの予約で埋まっていて、中々借りられないということが多々ある。待ちきれない人にとって、その場でちょっと立ち見をして、良さそうだったら買えるという選択肢があるのも悪くないだろう。

また、併設されているスタバでコーヒーを片手にのんびりと読書に興じたり、PCで資料を作成しながら図書館の本で調べごとしたりするということもできる。

TSUTAYAが、そういったシナジー効果を狙ったであろうことは想像にがたくない。市側も話題性によるにぎわい創出を期待していた。図書館に疎遠だった人が、単なる話題性、もしくはスタバかTSUTAYAに用事があるとの理由でTSUTAYA図書館を訪れ、本の面白さや奥深さに気付くきっかけになることも少なからずある。

ネット上には「公立図書館の本来の役割はにぎわい創生ではなく、市民の知の拠点として…」というもっともらしい声もあるが、そこまで原理原則にこだわる必要はない。

反対一辺倒ではなく問題点と改善点を洗い出そう

TSUTAYAはレンタルショップとしては一流でも、公立図書館運営という面ではまだまだ素人である。ただ、「ネットの反応」にあるような反対一辺倒ではいけないと思う。

冒頭で挙げた問題点だが、例えば以下のように取り決めをしておけばよい。

  • 蔵書購入は古本からの流用ではなく新品を購入する。雑誌を含めた選書はTSUTAYAではなく、市の機関が行う。(選書に偏りが生じないように)
  • サイトや利用案内で「貸し出し履歴の二次利用はしない。返却後に削除するようにする」ということを明言する。(これは多くの利用者が懸念していることなので)
  • 蔵書の分類は従来の日本十進分類法に基づく。TSUTAYAの独自分類はしない。
  • 静かに本を読みたい人にも配慮して、カフェとは別に、私語・飲食禁止の閲覧室を従来と同程度かそれ以上の席数で設ける。

従来の公立図書館の基本を踏襲した上で、民間ならではのアイディアで改善していけば、公立図書館の持つなんとなく暗い・古いといったマイナスイメージを払拭することもできるのではないか。

例えば、以下に挙げることはTSUTAYA図書館だからこそ可能になったことである。

  • 金銭収受のためのレジがあるため、送料を利用者が負担した上での郵送返却が可能になった。
  • 開館時間が延び、休館日がなくなった。
  • Tカードを持っていれば、市外在住者でも借りられるため、旅行・出張や帰省の際でも図書館を活用できるようになった。
  • 従来の公立図書館にはない斬新なレイアウトで、来館者が大幅に増えた。

これから良くなっていくことに期待しよう!

TSUTAYA図書館に限らず、どんなことでも最初は、問題点が山積しているものだ。利用者からの批判・提案を受けながら、試行錯誤を繰り返すことで、問題点は解消され、より良いものになっていく。

短絡的にTSUTAYA図書館を否定するのではなく、長い目で見ることが必要ではないだろうか。

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©2018 だから僕は海外に出る、さあ君も by 佐野由自