だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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自炊業者を訴えるより、一冊でも多くの電子書籍化を進めるべき

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客が所有する紙の本を電子化する「自炊代行」が著作権法に違反すると認め、代行業者に差し止めを認めた判決があった。

以前から「ほぼ違法」と言われていただけに、特段の驚きはない。私は、法解釈は別にして、実につまらない裁判だと思う。

自炊代行にニーズがあるのは電子書籍が便利だから

便利な電子書籍海外に住んでいると、このような電子化サービスは、非常に重宝する。大きな街には日系書店があるが、取り扱い冊数が限られている上、価格も日本の書店の倍以上する。Amazonやhontoのように海外発送してくれる通販サイトもあるが、送料が非常に高い。そういうことを考慮すると、電子化サービスは非常に便利である。

ところが、自炊した電子書籍は、使い勝手がよくない。まず、ファイルサイズが大きい。スキャンした本は、文字データではなく画像データの集まりとしてPDF化されるので、ファイルサイズは必然的に巨大になる。Kindleのように、外部メモリカードが使えない端末だと、端末に入れられる冊数も限りがある。また、端末側のモニター解像度が低い場合、拡大しないと字が読みにくい。拡大すると一画面に収まらなくなるため、縦横スクロールが必須だ。さらに、全文検索も使えないし、目次から本文へのリンクもない。

小説のように、最初から読み進めていく本なら何とか使えるが、参考書や辞書のように特定のページを開くことが多い本であれば、使い勝手は非常に悪い。

自炊代行業者から金を徴収するなら、さっさと電子書籍化すべき

出版社と自炊代行業者の間で独自ルールを制定する動きも*1もある。このようなルール作りを目指すということは、出版社側も電子化のニーズを認めているのだろう。電子化が著作権侵害の温床であれば、いくら金を積まれようが絶対に認めないだろうから。

それならば、なぜ、出版社自らが、Kindleなり楽天Koboなりの電子書籍化に踏み切らない?それらには、DRM(デジタル著作権管理システム)が実装されており、自炊されたファイルに比べたら、ネット上に無秩序に出回る恐れは格段に低い。それに、中古本と違い、売れればその分だけ出版社の収益になる。

出版社は、書籍の電子化を、売れ行きや評価の高い本から順次進めていくべきであろう。

しかし、日本では電子書籍は今一つ復旧していないし、その兆しも見えない*2。出版社が書籍の電子化に消極的なのは、街の本屋を守るためなのだろうか?それとも、再販制度という悪しき慣習を守るためなのだろうか?だが、いつまでも既得権にしがみつこうとする日本の慣習が、イノベーションを妨げているということを知るべきであろう。

電子書籍は非常に便利

海外にいる日本人、特に留学生は、その大半が電子辞書を持っている。それは、便利であるからに他ならない。だが、電子辞書に入っているコンテンツは、メーカーが選んだコンテンツだけだ。もし、数多くの書籍が、その形態に応じて適切に電子化されれば、一体どれだけ便利になるだろう。

写真が多い本ならば、Googleの画像検索のように写真だけを一覧表示させるができる。旅行ガイドなら、現在地や地図から該当のページへジャンプさせられる。細かい条件指定ができる全文検索機能が搭載されれば、辞書や参考書の類は、はるかに使いやすくなる。パソコンと連携して、コピー&ペーストで引用ができれば、論文作成の効率ははるかに上がるだろう。

これが教育の現場に行き届けば、十年一日の日本の教育も大きく変わる可能性だってある。

電子書籍が普及するためには、端末が広く行き渡る必要があるし、そのためにはコンテンツ数の充実は欠かせない。コンテンツ数の充実には、出版社が旧態依然な体質を改め、紙の書籍重視から電子書籍重視への大きく舵を切る必要がある。

出版社が電子書籍化を進めれば、わざわざ無駄な裁判を起こさなくても、紙の書籍を電子化するサービスは淘汰されていくだろう。

私は、電子書籍に新時代の息吹を感じる。ところが、それを阻害しているのが、既得権に固執する出版業界であるとすれば、残念でならない。

時代に合った利用者の利にかなった行動を

最後に、アップル社の元CEOである故・スティーブ・ジョブズがiTunes Store発表に際に言ったことを引用しよう。

われわれは違法ダウンロードと戦う。訴えるつもりも、無視するつもりもない。競争するつもりだ。

出版大崩壊 (文春新書)

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©2018 だから僕は海外に出る、さあ君も by 佐野由自