だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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取り返しが付かない状態に陥る前に……

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有名な詩であるが、マルティン・ニーメラーの引用しよう。

彼らが最初、共産主義者を攻撃したとき

ナチが共産主義者を襲つたとき、自分はやや不安になつた。
けれども結局自分は共産主義者でなかつたので何もしなかつた。
それからナチは社会主義者を攻撃した。自分の不安はやや増大した。
けれども自分は依然として社会主義者ではなかつた。そこでやはり何もしなかつた。
それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、というふうに次々と攻撃の手が加わり、
そのたびに自分の不安は増したが、なおも何事も行わなかつた。
さてそれからナチは教会を攻撃した。そうして自分はまさに教会の人間であつた。
そこで自分は何事かをした。しかしそのときにはすでに手遅れであつた。

ナチスが迫害対象を拡大していく様に不安を抱きつつも、自分には関係ないと知らんぷりを決め込んでいたら、火の粉が降りかかってきたとき、取り返しが付かない状態になっていたという話である。教訓的な話のため、多方面で引用されている。

ヒトラー

日本は多くの方面で、これと同じ状況に直面しているのではないだろうか?

少子高齢化:机上の議論→気付いたら深刻な人手不足・自治体消滅

人口減・自治体消滅・人手不足・介護難民・地方創生・一億総活躍といった言葉は今や日本中で使われている。人口減は降って湧いてきた問題なのだろうか?いや、違う。10年以上も前から言われていたことだ。日本の人口が減少に転じたのは2007年のことであるが、それよりもはるか以前から少子高齢化は取り沙汰されていた。

ヘイトスピーチ:匿名掲示板の戯れ言→国際問題・社会問題

ヘイトスピーチといえば、最近は若干なりをひそめたとはいえ、まだ沈静化したとは言いがたい。そんなヘイトスピーチであるが、かつて「嫌韓」というのはネット界隈、しかも匿名掲示板のごく一部の過激なネットユーザーによるものでしかなかった。しかし、今はどうか。海外メディアに取り上げられる、国連が勧告する無視できない大きな国際問題になっている。

過激な保守的思想の持ち主は日本人全体の1%程度である。ほんのちょっと前までは、もっと少なく0.1%程度であったのではないか。

憲法改正:絵空事→改憲勢力が衆参両院で3分の2

いよいよゾッとするような憲法改正が現実味を帯びてきた。改憲といえば、少し前までは絵空事であった。国民投票のための法律すらなく、改憲派が衆参両院で3分の2を超えるというのも考えられなかった。

もちろん、憲法を改正することは何ら悪いことではない。あくまでも「改正」あるならだ。自民党の改憲案を見ている限り、酷いの一言だ。「日本を取り戻す」とは「国民から主権を取り戻す」という意味なのだろうと思わずにはいられない。

「9条の改憲ではないから」とか「国民投票があるじゃないか」とかと高をくくっていると、後悔することになるかもしれない。自民党がもくろむ「緊急事態条項」は、ナチスの全権委任法とそっくり重なり、極めて危険である。(そういえば、麻生副総理も「ナチに習ってはどうか」と発言していた) 国民投票があるじゃないかと思う人もいるだろう。先日の英国のEU離脱を問う国民投票で、不利とみられていた離脱派が僅差だが勝利したことを思い出して欲しい。離脱に賛成票を入れた人も後悔している人がいる。国民投票のやり直しを求める署名も400万を超えた。

フリーター:いつかは正社員→いつまでもフリーター

フリーターという言葉が出てきた当初は、「新卒入社で終身雇用という既存の働き方にとらわれない自由を謳歌する若者」というイメージがあった。今ではいいイメージはない。多くのフリーターが「頑張って働いていればいつかは上の人に認めてもらえて社員登用してくれるさ」と信じ続けて、10年20年という年月が流れた。彼らの多くは未だにフリーターのまま。多くの企業は、アルバイトを正社員にするつもりなんかない。非正規雇用労働者の割合は増え続け、ついには全労働者の4割に達した。正規雇用と非正規雇用の賃金格差も相変わらずだ。

生活保護受給者バッシングの末路 (架空ストーリー)

生活保護というと、なぜか日本ではバッシングの対象になる。生活保護は、「国民が健康で文化的な最低限度の生活」を送るための最後の砦だ。誰もが生活保護を必要とする状況に転落するかは分からない。

生活保護をネットで叩いている人をモデルケースに架空のストーリーを仕上げてみた。

私が最初、生活保護受給者を攻撃したとき

僕は47歳、都内の大手企業に勤務、年収は600万円、妻子がいる。

僕は、ネットで「真実」なるものを知った。
在日韓国・朝鮮人を「在日帰れ」と言って排斥した。
マスコミを「マスゴミ」と呼んで攻撃した。
イラク人質で「自己責任」と叫んで叩いた。
生活保護受給者を「甘えだ」と責めた。

ある日、僕の会社が不祥事を起こし業績が悪化。リストラされ、僕は失業した。

再就職活動を始めたが、この歳ではどこもかしこも不採用。
そこで初めて、僕に能力があるわけではなく、たまたま時代が良かったから就職できたに過ぎないことを知った。

正社員の職にありつけないので、仕方なく派遣の仕事に就いた。時給はわずか900円。1日8時間フルタイムで働いても、給料は会社員時代の3分の1にも満たない。
長年デスクワークに就いてきて、運動不足ですっかりなまった身体に肉体労働は応える。
職場では、年齢が僕の半分のフリーターと思われる若者も働いていた。体力面では彼らにはかなわない。

ある日、あまりの激務に身体を壊して働けなくなってしまった。
にっちもさっちもいかなくなり、生活保護の受給を検討し始めた。

ネットで情報収集を始める。インストールしている掲示板アプリの書き込み履歴というボタンがあったので、何気なくそれを開いてみた。
生活保護を「ナマポ」と言い換え、「自己責任だ」「甘えだ」と受給者を執拗にバッシングしている僕の過去の書き込みが目にとまった」

生活保護受給者に対する世間の鋭いまなざしから、水際作戦が始まっていた。
僕は、役所に足を運んだものの申請すらさせてもらえなかった。

これは架空のストーリーであるが、ありえない話ではない。むしろ、すべての人が貧困に陥る可能性をはらんでいる。(ネットで執拗に弱者を攻撃している人、他人事じゃないんですよ)

取り返しが付く時に

時間はまだまだあるんだと思って、先送り先送りしていると……。
自分には関係ないと思って、見て見ぬふりをしていると……。

気がついたときには、取り返しが付かない状態になっていた。

自由からの逃走 新版

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©2018 だから僕は海外に出る、さあ君も by 佐野由自