今年の夏は猛暑になりそうである。*1早くも先日は日本各地で猛暑日を記録した。例年以上の電力需要が見込まれているのだが、今夏は節電目標は設定されていない。原発は鹿児島県の川内原発を除いては一基も再稼働していないにも関わらず。巨大な首都圏を抱える東日本(50Hz地域)で稼働中の原発はゼロである。観測史上最高の猛暑が予想される2016年夏を原発ゼロ&節電要請なしで乗り切ろうとしている。
なんだ、原発がなくても日本は全然行けてるじゃないか。
原発ゼロでも全然OKな日本
私は当初は再稼働に消極的賛成の立場であった。日本の発電量の3割を占めていると言われた原発を停止することで、
- 節電と呼びかけることで高齢者の熱中症が増えて、彼らの命を危険にさらすのではないか。
- 計画停電になることによる交通事故が増えるのではないか。それに伴う経済的損失も相当あるのではないか。
- 温室効果ガス排出量の増加するのではないか。
というようなことが起こるのではないかと懸念していたからである。私が心配していたことは杞憂に終わった。
熱中症で搬送される件数は、多くの原発がフル稼働していた2010年より減っている。震災があった2011年の夏を除いては計画停電はされていない。電力会社のでんき予報を見ていても、需要が逼迫した状況には一度も陥っていなかった。綱渡りだったことは事実だが。温室効果ガスの排出量も減少に転じている。*2
日本SUGEEEEEEEEEE!!
なぜ、原発ゼロで二度の夏を乗り切ることができたのだろうか?それだけ節電が定着したということである。つまり、日本国民が努力したわけだ。節電に協力したあなたも、その1人である。
- まだ使える電球1個をLEDに変えた。
- まだ耐用年数が残っているのに、省エネ家電への買い換えた。
- 食事が終わったらさっそうと自室に戻っていた子供が、リビングで過ごすようになった。(エアコン稼働数が減ることで節電)
- 日中の暑い時間帯は、図書館や公民館やカフェなどの公共の場所で過ごすようになった。(エアコン稼働数が減ることで節電)
- エアコンの設定温度を上げた
- クールビズがより定着した。
電力会社側も指をくわえて見ていたわけではない。効率の良い火力発電所の導入したというニュース*3も以前耳にした。値上げに値上げを繰り返していては消費者の理解は得られないからだ。
「原発には頼れないし、頼りたくない。だけど停電は困る」という状況が日本中に「節電しよう」という空気を生み、結果として節電が定着した。それだけでなく、電力会社一社で担っていた発送電も分離され、多くの企業が参入できるようになった。従来の電力会社の電力会社の宣伝もよく目に付く。
原発に頼れない状況という必要性が、節電を定着させ、さらには電力自由化を実現させた。「必要は発明の母」ということわざがあるが、まさに日本は国ぐるみで実証してみせたのである。すごいじゃないか。私は誇っていいと思う。
原発ゼロでも乗り切れたのだから、このまま脱原発へと一気に舵を切ればいいじゃないか。私はそう思うのだが、どうやら自民党はそのつもりは毛頭ないようである。世論調査では再稼働反対が未だに賛成を上回っているのだが。*4*5(選挙という名のカーブが近づけばタイミングよくブレーキがかかって、終わればまた暴走し始まる自民党って自動運転車みたい)
自民党の公約、覚えてる?
あなたは、2012年12月の衆院選における自民党の公約を覚えているだろうか?
【エネルギー】全てのエネルギーの可能性を掘り起こし、社会・経済活動を維持するための電力を確実に確保するとともに、原子力に依存しなくても良い経済・社会構造の確立を目指す
2012年の選挙公約で、自民党は「原子力に依存しなくても良い」=「脱原発を目指す」と断言していた。2016年現在、原発稼働ほぼゼロで、猛暑予想なのに節電目標もなし。「原子力に依存しなくても良い経済・社会構造の確立」は実現しつつある。それにもかかわらず、脱原発の声が小さくなっているのをいいことを、自民党は次々と再稼働をもくろんでいる。高速増殖炉もんじゅも事実上の存続が決まったし。
原発イラネ! ついでに自民党もイラネ!
なんとなく、SNSに「いいね!」ではなく、「イラネ!」もあったらなぁと思った。イラネがあったら、原発イラネ!を真っ先に押したい。これ以外にも押したいものを列挙すると…
自民党イラネ!、安倍首相イラネ!、ブラック企業イラネ!、社畜イラネ!
こんなところだろうか。消せるかどうかは日本人次第。
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