だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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日本の悪口をどんどん書いて日本を良くしていこう

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何気なくテレビ番組表を見ていたら、外国人が日本を絶賛する番組が目に付いた。一瞬、「まだやってたのか……」と思ったが、これだけ長く続き、複数の局に似たような番組があるということは、そこそこ人気がある証拠なのだろう。

テレビ番組だけではない。ネット・リアルを問わずヘイトスピーチも相変わらずだし、書店には日本を褒める本が目立つ場所に平積みされている。

最初のうちは、ただのブームでいずれは収束するかなと思っていたのだが、ここまで来ると一過性のものとは思えない。

巷にあふれる「愛国ポルノ」が気持ち悪い

この手の本や番組のことを「愛国ポルノ」という人もいる。本物のポルノは自己満足のためのものであるが、「世界が絶賛する日本は凄い!」と愛国心をあおり、見た人が自己満足に浸るための本や番組などを「愛国ポルノ」と呼ぶことは、まさに言い得て妙である。

日本が好きな日本びいきの外国人ばかりを取材対象にして、その人がさりげなくつぶやいた「nice」や「cool」といったことを、大げさに「素晴らしいですね!」とテロップを付けている。日本に批判的な箇所はほとんどない。おそらく批判的な箇所はカットされているのだろう。

海外に住んでいる日本人を訪ねる番組もあるが、取り上げられるのは、現地人から歓迎されている日本人ばかりである。現地人コミュニティーに溶け込もうとせず、現地人との接触がほとんどなかったり、逆に現地人からあまり好感を持たれていなかったりする日本人は、最初から取材対象外となるのだろう。

国にせよ人にせよ、プラスの面もあればマイナスの面もあるのは当然だ。しかし…、光があるから影ができるのではなく、影があるからこそ光照らされた部分がより一層明るく照らされる、—そんな風潮が日本にあるのを見ていると、薄ら寒さを感じずにはいられない。

良いところばかりでなく、悪いところにも目を向けよう

かつてTBS系列で『ここが変だよ日本人』という、日本に住んでいる日本語ぺらぺらな外国人を出演させて、番組名の通り日本の変な部分を面白おかしく取り上げるバラエティー番組があった。もちろん不快感を感じる人もいただろうが、多くの人は「しょうがないなぁ」「うーむ、確かに一理あるなぁ」と笑って過ごしたのではないだろうか。

仮に現在放送されればどうなるだろう?「日本を貶めて視聴率を稼ぐ反日売国番組だ!」「こんな偏向番組はさっさと打ち切れ!」「電波停止しろ!」などと大炎上することは想像に難くない。日本を批判する一方の番組は、今のご時世では難しいだろうが、せめて日本の良いところと悪いところをバランス良く取り上げる番組作りはできないのかなと思ってしまう。

本当の「愛国心」とは?

日本について疑問に思うところや悪いところがあれば、反発を恐れずにどんどん表に出していくべきだと思う。それこそが究極の愛国心だ。

以下は、愛国心に関する格言である。

The greatest patriotism is to tell your country when it is behaving dishonorably, foolishly, viciously. (by Julian Barnes)

(最高の愛国心とは、あなたの国が不名誉で、悪辣で、馬鹿みたいなことをしている時に、それを言ってやることだ)
ジュリアン・バーンズ

愛国心

100%同意する。「日本の労働環境は酷すぎる」「日本の刑事司法は極めて悪辣だ」「危険な独裁者が立憲主義を無視して憲法を改悪しようとしている」と声を大にして言える人こそ、真に日本のことを思う愛国者だ。声を大にして言える国こそ、真に自由で民主的な国だ。(自由で民主を名乗るどこかの政党は、圧力をかけて、彼らに都合が悪いことを徹底的に弾圧しているけど)

本音は別として、いつもニコニコ顔で「日本は街は清潔だし、電車は時間通りだし、サービスはきめ細かいし、治安はいいし、日本は最高だね」と言う人と、「鉄道人身事故の多さは日本の自殺の多さを映し出す日本の闇だよね」「日本のサービスの質は高いけど、サービス残業や有給なしがまかり通っている労働環境は酷いよね」と言う人とでは、どちらが日本を客観視できていて、本当に日本のことを考えている人と言えるだろうか? 私は後者であると思う。

ネットに跋扈する自称「愛国者」は、ただの偏狭ナショナリスト

日本を褒める声に対しては、「ほら見ろ! 日本は世界一なんだよ!」と鼻を高くするが、逆に日本を批判する声には、脊髄反射で「そんなに日本を批判するなら出て行け」「反日!」「左翼!」「売国奴!」という反応をするような人は、断じて愛国者ではない。愛国者の仮面をかぶった、ただの偏狭ナショナリストだ

ネットで声高にナショナリズムを叫ぶ人は、全体から見ればごくわずかに過ぎない。しかし、過激な言動こそ取らなくても、隠れナショナリストは確実に増えているのではないかと思う。もちろん、適度に矜持を保つことは否定しないし、大切なことである。臭いものに蓋をするのではなく、適切に処理していかないと、いつかは吹きこぼれて大変なことになってしまう。いや、もう抑えきれなくなって今にも吹きこぼれようとしている。

そんな時代だからこそあえて言う。日本の悪いところをどんどん出していこう。そして、解決策を考え、建設的な議論をし、政治を動かし、日本を良くしていこう。それが民主主義だ。(賞賛する声だけを聞き、批判する声を封じるのは北朝鮮と一緒)

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©2018 だから僕は海外に出る、さあ君も by 佐野由自