奴隷という言葉の定義は以下の通りである。
- ど‐れい【奴隷】〘名〙
- 人間としての権利・自由を認められず、他人の私有財産の一つとして扱われた人。労働を強制され、譲渡・売買の対象ともされた。「─制度」◇一つのことに心を奪われ、そのためにだけ行動する人のたとえとしても使う。「恋[金銭]の─となる」
明鏡国語辞典©Taishukan, 2002-2008
それを踏まえて、奴隷と社畜の共通点を10個まとめてみた。
①人間としての権利・自由が認められていない
奴隷は、人間としての権利・自由が認められていない。奴隷に必要ないものだから。権利を主張すると、「奴隷にそんな権利はない」と一蹴される。
社畜は、人間としての権利・自由が認められていない。社畜に必要ないものだから。権利を主張すると、「権利を主張する前に義務を果たせ」と一蹴される。
立派な日本国憲法の上では認められている。しょせんは机上の空論。北朝鮮が朝鮮民主主義人民共和国と名乗っているが、民主主義でも共和制でもないのと一緒。無理して主張すると「空気」につぶされる。
②他人の所有物として扱われる
奴隷は、他人の所有物として扱われる。奴隷運搬船に立派な船室は必要ない。ヒトではなくモノなのだから。
社畜は、会社の所有物として扱われる。通勤電車に座席は必要ない。ヒトではなくモノなのだから。
③譲渡・売買の対象とされる
奴隷は、譲渡や売買の対象とされる。どこで働かせられるのだろうか? 奴隷商人はオレ達を使って、いくら儲けているのだろうか?
社畜は、譲渡や売買の対象とされる。どこで働かせられるのだろうか? 派遣会社はオレ達を使って、いくら儲けているのだろうか?
正規雇用なら当てはまらないかもしれないが、非正規の派遣社員なら当てはまる。悪名高い外国人実習制度なら、ほぼ当てはまっている。米国からも「人身売買の温床である」*1と非難されている。
④劣悪な環境で労働を強制される
奴隷は、物理的に劣悪な環境で長時間労働を強制される。逆らおうものなら、容赦なく鞭で打たれる。これを拷問と言う。その結果、身体が傷つくこともある。
社畜は、精神的に劣悪な環境で長時間労働を強制される。逆らおうものなら、容赦なく罵声を浴びせられる。これをパワハラ*2と言う。その結果、心が傷つくこともある。
⑤労働が原因で死亡したり、健康を害したりすることは珍しくない
奴隷は酷使されて死ぬことがある。奴隷の健康なんて気遣う必要はない。いくらでも代りはいるのだから。死んでも構わないけど、あまり数が多いと生産に影響が出るし、新しい奴隷が必要なので、死なない程度の最低限のことはしているつもり。一応ね。
社畜は酷使されて死ぬことがある。社畜の健康なんて気遣う必要はない。いくらでも代りはいるのだから。死んでも構わないけど、あまり数が多いと生産に影響が出るし、新しい社畜が必要なので、死なない程度の最低限のことはしているつもり。一応ね。
⑥人生=労働、生きがいや夢や希望なんてない
奴隷は朝から晩まで働かせられる。その日の仕事が終わったら、クタクタで飯食って寝るだけ。趣味? 娯楽? 夢? 希望? そんなものは奴隷に必要ない。余計なことは考えるな。
社畜は朝から晩まで働かせられる。その日の仕事が終わったら、クタクタで飯食って寝るだけ。趣味? 娯楽? 夢? 希望? そんなものは社畜に必要ない。余計なことは考えるな。
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⑦あるものに心を奪われて自主性を失っている
奴隷の場合は、生きるだけで精一杯。もしくは、「いつか自由」という幻想に心を奪われている。
社畜の場合は、生きるだけで精一杯。もしくは、「やりがい」という幻想に心を奪われている。
⑧余計な知恵は与えられない
奴隷には、余計な教育はしない。仕事ができる最低限の知識さえあれば十分。人権とか団結とか下手に知恵を付けられたらやっかい。
社畜には、余計な教育はしない。仕事ができる最低限の知識さえあれば十分。人権とか団結とか下手に知恵を付けられたらやっかい。
日本の教育は詰め込みであり、同時に協調性(という名の同調圧力)を埋め込む。欧米のような、個を尊重したり、考える力を養うような教育はしない。
⑨誰も助けてくれないし、団結もしない
奴隷は、誰も助けてくれない。団結して自由を勝ち取ろうとはしない。そんなものは無駄と悟っているがごとく、みんな死んだ目をしている。
社畜は、誰も助けてくれない。団結して自由を勝ち取ろうとはしない。そんなものは無駄と悟っているがごとく、みんな死んだ目をしている。
生活保護なんて門前払い*3。労働基準監督署も動いてくれない*4。
⑩働けなくなったらお払い箱
奴隷は、働けなくなったらお払い箱。今まで働いてくれた恩なんてない。自由? 解放? そんなもの口実だよ。当てにならない。
社畜は、働けなくなったらお払い箱。今まで働いてくれた恩なんてない。生活保護? 年金? そんなもの口実だよ。当てにならない。
待っているのは「一億総活躍」という名の「一億一生総奴隷社会」である。「活躍」という名の下に、死ぬまで働くことが求められる。
社畜と奴隷の違いは、束縛しているものが「足かせ」か「空気」か
これまで奴隷と社畜の共通点を書いてきたが、大きく異なる点がある。それは、束縛しているものが「足かせ」か「空気」かの違いである。奴隷の場合は足かせを付けられ、物理的に束縛されている。しかし、社畜の場合は、空気と洗脳によって束縛されている。この差は非常に大きい。なぜなら、脱奴隷のチャンスはほぼゼロだが、脱社畜のチャンスは少なからず誰にでもあるからだ。
洗脳から解け、「空気」(という名の同調圧力・世間体)から解き放たれれば、いつでも自由になれる。
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(2017年7月18日追記)