寒い日が続いている。ニュースを見る限り、先週末の首都圏は豪雪に見舞われ大変なようだ。そんな中、危険を顧みず出勤しようとする仕事様命の社畜も相変わらずだろう。これは、昨年の台風時に書いたエントリー「台風が来ようが槍が降ろうが命がけで出勤する仕事様命の社畜」が、そっくりそのまま今回のような豪雪時にも当てはまる。
電車が止まっても「懲戒」をちらつかせて出勤を迫る「仕事様」優先の社畜
今回の豪雪で、首都圏の交通網は乱れに乱れた。交通網が寸断され、各地が陸の孤島となったというニュースは、東日本大震災を彷彿とさせた。
J-CASTニュースで、ある会社員が、計画停電で交通の足がなくなったことで、やむを得ず欠勤・遅刻をしたところ、上司から「懲戒処分」をちらつかされながら出勤を迫られたという記事を目にした。
停電で鉄道が運休 「休んだら懲戒」はありうるのか (J-CAST会社ウォッチ)
記事中に出てくる社会保険労務士によると、不可抗力を理由に懲戒処分にすることは許されないと言っている。社畜にとっては、偉大なる「仕事様」なんてのは法をも超越する神聖不可侵な存在なのだろうけど。(笑)
おそらく今回の豪雪でも、会社から仕事を優先するように半ば強要された人も多いだろう。
熱が37.9度あっても「仕事様」優先の社畜
寒い日が続く冬場は、風邪を引く人も少なくない。あなたの会社は風邪を引いても、気兼ねなく休めるだろうか?
海外では一般的に「シックリーブ」(Sick Leave)という有給病欠が本来の有給とは別に与えられる。風邪を引いたときは、このシックリーブ制度で休み、有給には手を付けない。会社に欠勤の電話を入れても、嫌み1つ言われず「Take Care」(お大事に)と言われる。
ところが、日本ではそうではない。同じくJ-CASTニュースの記事によると、
ライオン『バファリンかぜEX』現代人応援プロジェクトが、全国の20~50代の働く男女1000人を対象に調査したところ、「風邪をひいても翌日会社を休めない」と答えた人は64.1%にものぼったという。
会社の同僚や上司、部下がどのくらいの熱があったら「会社を休んでも仕方がない」と思うかという質問には、平均が「37.9度」に。
同僚が休んでも「仕方ない」と思える発熱は「37.9度以上」 (J-CAST会社ウォッチ)
微熱と言われる37度代前半でも、かなり身体にだるさを感じ、頭もふわっとした感じになる。38度代ともなれば、立っているのもやっとという状態である。そんな状態でも出勤するのが社会人として当然であると社畜は思っているのだろうか。いやはや、どれだけ鬼畜なんだか。
家畜ですら体調が悪いときは休ませるのが普通である。そのことを考えれば、もはや社畜というより奴隷といった方がふさわしい。
外国人に「組織の中で働かされていて、どれだけ体調が悪くても休めない、働き過ぎて死ぬケースも珍しくない、そんな人を何て言うの?」と尋ねたら、十中八九「それ『奴隷』だよ(笑)」って言われるだろう。
人の命よりも「仕事様」優先の社畜
同じ記事の中で、
「非正規は40度超えだろうとギリギリの人員で現場まわしているから、タクシーで日給の倍かかってでも出社しないと、現場が破綻そして即解雇なんだよ」
という声も紹介されていたが、体調が悪いのに無理すると最悪命に関わる。集中力の低下した状態で仕事をしても、生産性は上がらない。万一重大事故が発生した場合、会社の社会的信頼は大きく揺らぐことになる。さらに法規制ということになれば、会社自体の存続にも関わる。
それを裏付けるような出来事がツアーバスの法規制であろう。適切な労務管理がなされておらず、運転手の長時間勤務によるツアーバスの安全性が疑問視されている中、関越道で7人も犠牲になる大事故が起きた。それをきっかけに、法改正でツアーバスが禁止され、結果として多くの事業者が撤退に追い込まれたことは記憶に新しい。
「立派な社会人」たる社畜はこういうことを理解しているのだろうか?
社畜はワークライフバランスを優先できない迷惑企業を起業するな(怒)
これまで挙げたことに共通していることは、社畜は「いかなる理由があっても、仕事様を優先できない奴は迷惑だから社会に出てくるな」と思っていることである。
風邪を引いて熱が出ることは年に1〜2回程度だし、電車が半日以上止まることは年に1回あるかどうか程度ではないか。それにも関わらず、仕事を優先する社畜を、私は理解に苦しむ。社畜から言わせれば「いかなる場合でも仕事を優先してこそ社会人」なのだろうが、仕事様って一体何なのだろうか?私から見たら、洗脳されているとか見えない。(参考エントリー:日本人は「労働教」というカルト宗教に洗脳されている)
私は社畜に言いたい。
「迷惑なのは、仕事様命で社員の健康や安全すら優先できない、労働教に洗脳されたお前ら社畜の方だよ」
とね。
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