だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

労働・サービス残業・ブラック企業・社畜・ワークライフバランス・海外脱出・日本脱出・英語・留学・人生・恋愛・政治・社会・日本・ニート・フリーター・貧困・ネット・IT

途切れた「日本人レール」と未だにその上を走り続ける「普通」

スポンサー広告

普通列車かつて「日本人レール」というものが存在した。そのレールの上を走る「普通」列車に乗れば、誰もがごく「普通」の人生を送ることができた。あえて途中下車をして、別の列車に乗り換えない限り—。

『Always 三丁目の夕日』の頃の昭和時代

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]

ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]

『Always 三丁目の夕日』という映画がある。安倍首相のお気に入りだそうだ。「古き良き昭和時代を見事に再現した名作」との呼び声が高い。他方、当時を知る者からすれば、極端に美化されているという反応もある。映画の内容についてはレビューサイトに譲る。確実に言えることは、この映画の時代背景である昭和時代後半は、「日本人レール」が存在し、その上を走る「普通」列車は、極めて順調だったしていたということだ。

本当は怖い昭和30年代 〜ALWAYS地獄の三丁目〜

本当は怖い昭和30年代 〜ALWAYS地獄の三丁目〜

上の本にも、就職と結婚だけは、誰もができたと書かれている。

新卒採用・年功序列がよく機能した時代

高度経済成長期は、圧倒的に売り手市場であり、学校卒業者は「金の卵」と呼ばれ、非常に重宝がられた。バブル期ともなれば、企業が内定者にクルマを買い与えたり、海外旅行に連れて行ったりと至れり尽くせりだった。まさに猫の手も借りたいほどの売り手市場であった。*1

高度成長期ゆえに、会社はどんどん大きくなる。会社が大きくなれば、新しい部署ができたり、子会社ができたりする。その分、ポストは増えていき、そのポストは年長者にあてがわれた。年齢が高くなれば、ほぼ自動的に昇進・昇級できた。

その弊害として、天下りが生まれたり、労働市場が硬直化したりした。しかし、みんな同じであることを好む日本人の性格も相まって、新卒採用・年功序列は非常に良く機能していたと言えよう。

誰もが結婚できた時代

今では、3人に1人が生涯未婚と言われているが、当時は考えられなかった。婚姻率は約98%であり、ほとんどすべての人が結婚できたのだ。なかなか異性に縁がない人でも、結婚適齢期を迎えて独身ならば、親・親戚・上司や近所の世話好きなおばさんが縁談を持ってきた。長い沈黙の末に「あのう、ご趣味は」で始まるお見合いシーンは、誰もが一度はテレビで見たことがあるだろう。

結婚するのが当たり前だった当時からすれば、結婚しない人は変わり者扱いされていた。

バブル崩壊とともに日本人レールも崩壊した

宴にはいつか終わりが来る。その終わりこそが1991年のバブル崩壊である。以降、日本は就職氷河期を迎え、失われた10年へと突入していき、今なお続いているのは知っての通りだ。

経済成長が頭打ちとなれば、会社の成長もストップする。すべての社員に高いポストが用意できるわけがない。年功序列が機能しなくなるどころか、正社員の採用すら手控えるようになる。さらに新興国との競争が激しくなれば、企業は生き残りをかけてコストを削減しなければならない。解雇規制が強い日本では、そのしわ寄せは、正社員採用の抑制に来る。不安定で低賃金な非正規雇用が増えれば、結婚も遠ざかる。それに合わせるかのように、1990年以降から未婚率が急上昇している。

親世代の言う「普通」はもはや普通ではなくなった

私のブログ読者の世代は20〜30代の若年層が多いことと思う。おそらく、あなたの親の世代は、若い時代は高度成長期のまっただ中だったのではないだろうか。

就職や結婚をすることが、水や空気のように当たり前であった時代を知る者からすれば、現在の就職難は実感に乏しい。そのため、フリーターやニートの問題を説明しても、「それは本人の甘えだ」と言って、なかなか理解してもらえない。日本人レールが存在していた頃の固定観念から抜け出せずに、今日においても

男には「しっかり勉強して、良い大学に入り、一流企業に就職するんだぞ」
女には「結婚するのなら、公務員や一流企業に勤めている安定した人となさい」

と言っている人が親世代が多いのが現状であろう。だが、それは過去のことだ。繁栄を極めていた頃のやり方や考え方のことを「普通」と呼んで、いつまでもこだわるのはやめる時ではないだろうか。

レールが存在しなくなった現在、親世代の常識は通用しない。旧来の価値観を変えない限り、あなたが安定した職について、結婚して家庭を築くことは極めて困難だ。そのことは、昨今の婚活ブームや、労働者の3人に1人が非正規雇用であることが物語っている。

レールが途切れても、人生という旅は終わらない。レールがなければ、列車も走れない。旅を続けるには、自分の行きたい方向に、自分の足で一歩ずつ進むしかない。

私は「海外脱出」という方向に人生の舵を切った。あなたは?

ワーキングプア―日本を蝕む病

ワーキングプア―日本を蝕む病

このブログをはてなブックマークに追加  

©2018 だから僕は海外に出る、さあ君も by 佐野由自