だから僕は海外に出る、さあ君も

「日本って何か変だなぁ」という疑問を胸に、思い切って海外脱出した著者が、海外からの視点で日本の社会問題や海外脱出アドバイスを綴るブログ。日本の奴隷的な長時間労働にうんざりしている人、ナショナリズム台頭・人口減・財政難の日本の行く末を危惧している人、協調性という名の同調圧力に耐えられない人、とにかく自分の殻を破ろうと思っている人、そんなあなたに『海外に出ること』を選択肢の1つとして提案する。

だから僕は海外に出る、さあ君も - ニートのガラパゴス日本脱出日記

ガラパゴス化している日本の奴隷的な労働環境と保守的な社会構造に適応できずに海外脱出したニートが海外視点で綴るブログ

仕事なんかクソだろ? 就活やめて日本を出よう! 奴隷やめて海外に出よう! 語学を学び世界に出よう! 「仕事なんてクソだろ」が売り文句の「ニートの海外就職日記」に影響を受けた、あるニートのブログ

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年齢差別と「年齢相応」という名の同調圧力

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私が海外にいて、日本人以外の人から年齢を聞かれた経験はほとんどない。私が海外にいて年齢を聞かれたことは、友達同士でたまたま年齢が関係する話題になった時ぐらいである。

世間話・通販・報道・体験談・就職 etc…日本人は年齢を気にしすぎ

様々な年齢層の人々打って変わって日本では、これでもかと言われるほど年齢を尋ねられる。初対面なのに、名前より先に年齢を聞かれるケースも少なくない。容姿を見れば、幼児・小学生・ティーン・若者・中年・老人のどの層に当てはまるかは、おおよその見当が付くであろう。1の位までの正確な年齢を求める理由は一体何だろう?

新聞の通販商品の申し込みには、必要事項として大半のものに「生年月日」がある。ジャパネットたかたの折り込みチラシにも生年月日を書くように求めている。ネット通販でも同様だ。日本のユニクロの通販サイトでは生年月日が必須になっているが、英国のユニクロの通販サイトでは任意になっている。

新聞記事には、必ずと言っていいほど、記事に出てくる人には年齢が括弧書きで記載してある。事件・事故の当事者はもちろんのこと、事件・事故の単なる目撃者への簡単なインタビューですら年齢を記載している。ただの事実報道なのに、年齢を記載しているケースも散見される。「近所に住む主婦(35)は、…と話していた」「通りがかった通行人(42)が発見し、警察に届け出た」といった感じだ。

海外の新聞では年齢を記載されることはあまりない。事故や事件の被害者、加害者、あるいは「史上最年少(最年長)で○○達成」といった年齢が主眼を置かれているニュースぐらいだ。

年齢を基準にする日本人

日本人は、多くの事柄を年齢を基準にしている傾向がある。そして、その基準に合致しない人を異端児扱いする。

一例を挙げよう。以前、ある事件の容疑者が逮捕され、「大学生の男(25)を逮捕した」と報道があった。それに対するネット掲示板の反応は、「25歳なのに大学生かよ」といったものが多かった。彼らには、「大学生は18歳〜22歳であること」が当然の感覚として染みついているのだろう。

他にも、「転職は35歳までにすること」「結婚は30歳までにすること」といったように「○○歳の人は、○○でなければならない」といったことが日本にはごまんとある。「年齢相応」という名の同調圧力と言えよう

もちろん、「35歳までに海外移住する」「20歳までプロに挑戦してダメだったら諦める」といったように自分の人生設計において年齢を基準にすることは、一向に構わない。また、医学・生理学的な意味があったり、法律上の線引き(飲酒可能年齢・選挙権を与える年齢など)が必要であったりする時も理解できる。しかし、合理的な理由なく他人に対して年齢を基準にするのは、はっきり言って、大きなお世話だ

欧米人も、日本人がやたらと年齢を気にするのを不思議がっている。

就職時の年齢差別は理不尽の極み

かつてはハローワークの端末で仕事を検索するとき、年齢を最初に入力する必要があった。今では年齢差別は法律で基本的に禁止されているが*1、年齢差別がなくなったかといえば、そうではない。求人広告には、法律に合致するように「年齢不問」としていても、想定している年齢層以外の人が応募してくればはねるだけであろう。事実、求人広告の中には「行間を読め」と言わんばかりの「20歳〜30歳の若い人が多い職場です」(本音は20歳〜30歳の人を募集)といった広告がある。

労働における30歳と35歳の違いって何だろうか? シビアな能力が要求されるスポーツの世界であれば5年の年齢差は大きいが、仕事における5年の年齢差の能力の違いなんて皆無に等しい。

十二分な職務能力があるにも関わらず、年齢を基準に門前払いをしているのであれば、ものすごい機会の損失であると思う。優秀な人材をみすみす取り逃がしているわけなのだから。

若い人が多い職場に中高年が来たら「和」が乱れる、中高年が多い職場に若い人が来たら「和」が乱れるってか? いかにも、「お手々繋いでみんな仲良し」の集団主義の日本人らしい考えだ。

欧米では、年齢を尋ねることは法律で禁止されている。日本も、年齢差別禁止に実効性を持たせるためには、履歴書への年齢記載を止めさせ、面接時に尋ねることも禁止にするべきではないか。

年齢ではなく、その人の持っているスキルとキャリアで判断すればいいではないか。

いくつになっても自分がしたいことに挑戦しよう

欧米では、親子ほど年が離れた人同士が友達関係を築いているのは珍しいことではない。年齢ではなく、馬が合うかどうかが付き合うか否かの判断基準だからだ。(恋愛関係であれば多少は年齢は気にする) 他方、日本のネット上のコミュニティーを見ると、「東京に住む20代集まれ」「1990年生まれ集合」といったものが目に付く。

私は、年齢で序列を作り、年代でグループ分けする日本のやり方に、強い違和感を感じずにはいられない。(「東京に住む阪神ファン集まれ」だったら分かるけど)

40歳になって自分が学びたいことが見つかれば、大学に行けばよいではないか。30歳で会社を辞めて、ワーホリしたり、世界中を旅したりしてもよいではないか。

いい加減に神経質なほど「年齢」にこだわるのはやめようよ。それこそが、縦社会を壊すための第一歩である。

(2017年6月19日 加筆・一部訂正)

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こちらは英語版。

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